活動紹介−議会活動旭民報

【21.10.01】9月議会で行った 討論2本掲載します

尾張旭市議会 9月定例会 最終日が、9月27日に開かれました。

 私は、自分が反対する議案などには、議事録に反対理由が残るようにしたい。
そして、私が賛成しようとする議案などに反対意見が示されたら、なるべく反論を議事録に載せるようにしたいと思っています。
( 議論の場なのだから、当然だと、言われる方もあると思いますが、他のほとんどの議員は、できていないと思います。)

 この9月議会も、反対討論を4本、賛成討論を2本、行いました。
 以下の2つの討論は、傍聴に来ていただいた方からも高評価を頂いたものです。

2020年度決算に対する 反対討論

認定第1号 令和2年度尾張旭市 一般会計 歳入歳出決算認定 に対する 反対討論

 2020年、令和2年は、世界的な新型コロナウイルス、COVID19の猛威により、その対応を迫られた一年でした。
感染症が、まだこれから数年続くとする予測もあり、この年の教訓を今後の市政運営に活かすことが必要だと考えます。

 すでに可決された、第40号議案、令和3年度尾張旭市一般会計補正予算(第4号)では、個人市民税を5億円追加補正するとしております。リーマンショック時の市税の落ち込みを参考に減額を見込んだ当初予算でしたが、例年並みの個人市民税となったのは、尾張旭市にお住まいで個人市民税を納める方達の多くは、給与所得者が多い。業種としても今回のコロナ禍で休業を要請されるなどの影響が比較的少ない方達が多い、ということなのでしょうか。
 ただ、個人市民税を払わずにすむ程度の、時間労働をされている方もいるはずです。家計として収入減少に悩むご家庭も少なくなかったのではないでしょうか。

 都心部で、炊き出しなどの支援の場に、リーマンショック時ではほとんど見られなかった女性の姿が目立ったこと、多くの女性が生活困窮に陥ったこと、アルバイトなどを学費の足しにしていた学生の困窮も続いているなど、まだ支援の手が届いていないところを見つけ出していく、アウトリーチの取組み強化が必要ではないかと考えます。

コロナ禍で、市民生活の困窮について、いくつか例年には無い数字を確認しておきます。
生活困窮者自立支援事業の一つ、住居確保給付費は、
支出額としては 1284万2900円で、2019年、4件だったものが、2020年は76件 19倍になりました。
例年ほぼゼロであった、緊急小口資金が371件、総合支援基金が63件、だったと、社会福祉協議会に確認しました。

 一方、生活保護に関しては、月平均の利用者が前年より9人減少しています。このような時期に利用が伸びないのも思議な話ですが、長年、生活保護利用者に浴びせてきたバッシングが、困窮状態に陥っても生活保護の利用を避ける心理を生みだしていること、制度的にも扶養紹介をはじめとした使いづらさの問題があり、低い捕捉率から抜け出せないと思えます。
 ここでも、アウトリーチによる制度対象者の掘り起こし、気づきが必要だと考えます。

 今後、アウトリーチでの対応を強化していくために、生活困窮者自立支援事業の充実も求められることですが、それ以前の問題として、各種相談事業で寄せられる市民からの声に対し、アンテナを高くして、市民からの救難信号、SOSを受け止めているのか、それが市政に問われます。

 厚生労働省が作成した、生活困窮者自立支援事業の説明資料では、市の様々な窓口が、市民の困窮に気づくことが可能なアンテナとなり得ることを示唆しています。

 例えば、収納課の窓口で、昨年度、福祉課の自立支援相談に結びつけることができたのは、たったの2件。
 収納課は、これまで愛知県の滞納整理機構から、どのように徴収するか、そのノウハウを追求してきた窓口になっていると感じています。
 これまでも問題を指摘し、滋賀県野洲市の対応など、議会質問でも紹介してきました。
 しかし、市民の相談相手として全く認知してもらえない窓口になっているのではありませんか?それが、たったの2件という結果に現れているのではないでしょうか。

 滞納整理機構が無くなっても、染みついてしまった仕事のノウハウを、どうすれば、市民に頼られる相談先に変えられるのか、コロナ禍という市民の緊急事態に対応できる窓口になるよう、考えて頂きたいと切実に思います。

次に、市のコロナ対策として、もっと取り組めたのではないか?という問題です。 市の財政調整基金の額を、決算統計で見ると
2020年の財政調整基金積立金現在高が、18億6374万3000円
2019年の18億6187万7000円)と比較して、
約200万円、186万6000円の増加となりました。
さらに、普通会計の決算統計では、いくつかの基金を合算して現している、特定目的基金で、2億0892万5000円、増加しています。
(2020年、17億48421千円、2019年=15億3949万6千円

 特定目的基金の増加理由は、リサイクルセンターの移転に伴う土地売却などの特殊要因が大きいのですが、全体として基金が増加した結果を見ると、もっと財政調整基金を取崩して、コロナ対策事業に振り向けても、おかしくはなかっただろうと思います。

 主要施策成果報告書の最終ページには、新型コロナウイルス感染症対策事業明細表が掲載されておりますが、そこに掲載された内容を見ると、
市民1人10万円の特別定額給付金だけで、約84億2600万円、
水道料金基本料金の免除で、約1億8200万円、
公立陶生病院組合負担金の増額で、約2億円など、
コロナ対策は、69事業、100億0774万5980円の支出となっています。

 後々の財政運営のことを考えれば、悩ましいことだとは思いますが、住民の危機に対し、もっと取り組めたのではないでしょうか?

 また、水道料金基本料金の免除については、都市環境分科会でも指摘したことですが、水道事業会計の貯金を崩して使わせたことは、後々の水道料金に影響しないのか?もし、値上げという形になるのであれば問題です。
 一般会計からの繰り入れで行うべきだったと、重ねて指摘しておきます。

 さらに、国保税の、こどもの均等割を免除する決断を、ここでも求め、一般会計からの繰り入れで政策的に行うように求めます。市長会でも求めている話であり、強く申し上げておきます。

 次に、矢田川河川緑地で計画がすすんでいる、自転車道の拡幅延伸についてです。この事業とともに、維持補修費の少なさも問題にしておきますが、右岸に既に設置されている自転車道において、その進行方向を阻むように、雑草により横方向に割れているヶ所がいくつも見られます。自転車の速度抑制に寄与する天然のバンプができています。
 既設の路線が傷んでいるのを放置して、拡幅工事を行うのは、どうかしていると思いますし、何よりも4メートル巾の自転車道は景観上どうなのか疑問があります。
 そして費用も500mの予定が300mしか整備できなかったのに、お値段そのまま。というのは、今後も費用がさらに増えることを示唆しているように思えます。
 計画を見直すように求めます。

 次に、三郷駅周辺まちづくり事業については「将来にわたる費用および効果」(議会基本条例 第11条(7) 論点情報の形成)が、明らかにされないまま進んでいます。

 税収の伸びを見込んでいると(本会議質問の答弁で)説明はありましたが、何十年後かに建替えが課題になったとき、市も建物内に床を所有する状態で負担が生じるでしょう。

 例え尾張旭市が人口の維持・増加に成功できたとしても、これまでの人口増加というビジネスモデルで作られた考え方の上にある現計画は、将来の日本の人口減少社会では無理があるのではないでしょうか?
 やめておいた方が良いと、警告し、反対討論といたします。





核兵器禁止条約の批准を求める国への意見書 賛成討論

陳情第9号 「核兵器禁止条約」への署名・批准を求める意見書採択に関する陳情書 に対する 賛成討論

 本陳情書は、国に対し意見書の提出を求めることに願意があると受け止めています。(先ほど山下議員より趣旨採択とする提案がありましたが、)意見書提出を拒む趣旨採択は、願意をゆがめるものだと考えます。まず、冒頭で、趣旨採択に対する反対理由を申し上げておきます。

陳情者から提供された資料の中にある、8月9日の長崎平和宣言では、
 日本政府と国会議員に訴えます。と、3つのことを求めています。
 1つ目は、来年3月に予定されている、核兵器禁止条約締約国会議へ、日本政府としてオブザーバー参加すること。
 2つ目は、この陳情が求めている、一日も早く核兵器禁止条約に署名し、批准すること。
 3つ目は、「戦争をしない」という日本国憲法の平和の理念を堅持するとともに、核兵器の無い世界に向かう一つの道として、「核の傘」ではなく、「非核の傘」となる、北東アジア非 核兵器地帯構想について検討を始めることです。

 この平和宣言に紹介されているように、核不拡散条約、NPTは、うまく行っていません。「NPTではダメだった」ということが、歴史的に証明されているのではないでしょうか。
 核不拡散条約ができたころは核兵器を持っていなかった国が、今では核弾頭や、巡航ミサイルの技術を持つに至りました。当時より危険が増している状況と考えますが、
 国どうしのもめ事は、話し合いで解決する。そのような社会を未来に作りたいと、私は思います。

 相手はコロナウイルスや自然災害ではなく、人間です。必要なのは、忍耐と寛容さ、粘り強く対話することで実現できると思います。

 核保有国と非保有国の、橋渡しをするのだと、反対を表明した議員から語られましたが、この条約を批准すると、できなくなるのでしょうか?

 外務省のウェブページに、平成29(2017)年3月28日、当時の岸田外務大臣の会見記録がありました。
 それを読みましたが、日本が条約の批准をした上で、橋渡しをすることができない理由は読み取れませんでした。
 条約の批准はしない。という答えがまず先にあり、その上での弁解のように思えます。
 この条約で、核兵器廃絶という目的を達成できるのか、実効性があるのか、疑問だという声も委員会で聞かれました。この点では、私が3月議会の個人質問で紹介した、対人地雷禁止条約の歴史的経過から言って、核兵器禁止条約も同様の実効性があると思います。

 この陳情に反対をされる皆さんにお聞きしたいのですが、核兵器は、非人道的な兵器である。そのことに、みなさん異論は無いと思いますが、その非人道的兵器を、相手が銃口を向けたからと言って、先制攻撃として使うのか?
 反撃だからと言って、他国、具体的には、アメリカに対して、打つように求めるのか?

 人権感覚が遅れた国であれば、そんなことを口に出すのかもしれませんが、日本はそうなのでしょうか?人道的に使うことができないのであれば、持っている意味は無いのではありませんか?

 核兵器が使用されれば、放射能の被害もあり、民間人が何年も何十年も、そして、まだ生まれていない子どもにも、被害が及びます。それを日本人は知っています。

 北半球は、基本的に西から風が吹きます。中国の砂漠から、日本へ、黄砂もやってきます。日本の西で、核兵器を使えば、放射性物質が黄砂と同じように飛んできます。使えば日本も、ただでは済まない。かも知れません。

 そのような状況でなくても、もし他国が核兵器を使うと言い出したら、一番に止めに入るのが日本政府の取るべき態度ではないでしょうか。

 唯一の戦争被爆国という我が国の立ち位置であれば、核兵器禁止条約に署名すること、むしろ署名した上で、各国に批准を働きかけることが、ごくごく自然なことのように思います。むしろ、今の日本政府の取っている態度が、異常なのだと考えます。
 本陳情への賛同を、みなさんにお願いし、賛成討論といたします。

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