活動紹介−議会活動旭民報

【20.09.26】2議員辞職の背景は政務活動費の不正

新聞各紙も報道 保守系会派の不正

 中日新聞をはじめ、朝日、読売、CBCテレビが今朝(9月26日)の朝刊などで報じていますが、保守系会派=令和あさひの代表、若杉たかし議員が昨年までの過去5年間の政務活動費に不正があったことを報告したと報じられました。

 5月、フロンティア旭(現、令和あさひ)に所属する議員2名が、グループ内の私的資金を着服したとして、議員辞職していますが、実際には、私的資金だけではなく税金(政務活動費)の不正を行っていたことを、ハッキリさせることができました。

 尾張旭市議会では、来週金曜日の、10月2日午前9時半から開かれる議会運営委員会で、若杉代表に対し質疑を行うこととしています。
 
 9月28日月曜日の午後5時までに、各議員から若杉議員への質問を提出し、10月2日に回答するという流れで、私は今、その質問を作成してメールで提出したところです。

 8月末から、私がこの問題についてどのように取り組んできたか、旭民報(しんぶん赤旗へ折り込んでいます)の記事を以下に掲載することで、お知らせします。

9月3日旭民報記事 尾を引く 2議員辞職問題

不適切流用の解明を求める陳情を拒否

8月28日に開かれた議会運営員会では、議会に届けられた2件の陳情のうち1件を扱わないこととしました。扱わないとされた陳状は「フロンティア旭(旧会派)の武田・成瀬市議の議員辞職について・・・議会として解明し、政務活動費の透明性を確保することを求める陳情書」です。市議会が陳情を扱わない例は、市議会HPに示されています。

陳情内容は議会として調査中と言えるため「願意がすでに立法化されたり、行政指導等によって実現されたりしたもの」に類すると判断はできます。
請願で出されれば受けざるを得ないとの意見もありましたが、陳情は取り扱わないこととなりました。

党市議団証拠書類の補強を求めて議長に申し入れ
前述の陳情を扱わないという判断が決まるのを待ち、党市議団は8月31日午後「旧フロンティア旭政務活動費の証拠書類の補強を求める申し入れ」を議長あて提出しました。

フロンティア旭の政務活動費について、2議員の辞職が決まる以前から、
川村議員は疑問を投げかけていましたが、その調査を議会として正式に取り組むことで、自浄能力を示すよう促す申し入れです。

北海道への視察・研修は「第13回健康都市連合日本支部総会」への出席を含むもので、同総会へは別グループも参加しています。

もう一方のグループの交通費は3名で約11万円。一方、フロンティア旭の交通費は、3名で約33万円です。
空港までの移動に違いがあるため、同額にならないのは仕方ありませんが、あまりにも額が違いすぎます。

「旧フロンティア旭政務活動費の証拠書類の補強を求める申し入れ」

旧フロンティア旭政務活動費の証拠書類の補強を求める申し入れ
さかえ章演 尾張旭市議会 議長 殿
2020年8月31日
日本共産党 尾張旭市議団
川村つよし 

 5月の臨時議会後、武田直樹、成瀬のりやす両氏が議員辞職をされました。旧フロンティア旭会派内の私的積立金を不正流用したことが背景にありますが、その説明に際し政務活動費についての不正は無かったとされています。
 もし、政務活動費についての不正があれば、その原資は公金であり重大事態だと思われるため、前任期4年間(平成27年度から平成30年度)の政務活動費について疑義が無いか確認しました。
 その結果、旧フロンティア旭については航空機を使用した移動時の領収書が添付されておらず、さらに支出額は航空運賃の定価と思われました。なお他会派は旧フロンティア旭と異なり、定価より安価であったことを証明するために領収書等を添付しています。
 すでに7月、議長へは口頭で、そのような調査を私が進めていることをお伝えしましたが、この際、議会として自浄能力を発揮し、航空会社から再発行した領収書等を入手するよう、ご尽力いただけるようお願いいたします。
 この間、航空会社に対して電子メールで問い合わせをしたところ、搭乗者本人であれば過去の領収書も入手は容易であるように思えます。
 領収書を入手するようお願いしたいのは、4便で、以下の方たちが搭乗したものです。
 すでにお二人にお声がけし、概ねご快諾いただいていることを申し添えますが、議長から各氏に対し協力依頼を呼びかけてください。

1.北海道との往復
2017年7月3日 中部国際空港 発 女満別空港 行き ANA327便
2017年7月5日 女満別空港 発 中部国際空港 行き ANA328便
搭乗者は、●、●、●(※) の3氏
2.沖縄との往復
2017年11月8日  中部国際空港 発 那覇空港 行き JTA043便
2017年11月10日 那覇空港 発 中部国際空港 行き JTA046便
搭乗者は、●、●、●、●、●(※)  の5氏

※議会のHPで氏名は明らかですが、事実解明のために協力的な方もあるため、この紙面では伏字としました。旧フロンティア旭の自主的な事実解明を期待します。

旭民報 9月17日 やっぱり あった政務活動費不正

領収書 発見

 前回、党市議団から議長あてに「旧フロンティア旭の政務活動費の証拠書類の補強を求める申し入れ」を行ったことをお伝えしましたが、その翌日=9月1日、C元議員から、川村議員に領収書が入手できたと連絡がありました。

 C元議員は議長宛の申し入れの中に記載のある「協力を依頼し、快諾を頂いていた」お一人で、議長からの要請が来るのを待つことなく調査を開始してました。

 見つかった書類は、申し入れで調査対象として挙げていた2017年(H29年)7月の北海道行のもので、

名鉄観光バス株式会社による 「松田先生」あて「ご旅行費用見積書」、
「フロンティア旭」向け宿泊費の領収書(控)(額面5万5680円)、
同交通費の領収書(控)(額面21万8880円)の3つです。

 宿泊費の領収書は市議会に提出されたものと同じですが、交通費については領収書の添付がなく、新証拠です。
 報告書に添付された行程表には乗車料金などの記載もあり、その額と旅行会社の見積を比べると、交通費のごまかしは約10万円と思われます。
 その10万円がどうなったのか解明が必要です。


見えてきた ごまかしの手口

 現在の尾張旭市議会の政務活動費のルールでは、交通費については規定料金であれば領収書の添付は必要ありません。
 宿泊費は1人1泊1万4000円を上限として、実費を支出できることになっています。(上限は市長等と同額で日当はありません。)

 旅行会社に、視察や研修で必要になる交通費と宿泊費をパック旅行として申し込んだ上で、宿泊費を上限の1万4000円等で計算した領収書を作り、交通費はパック旅行の残額で領収書を作るよう、旅行会社に依頼します。
 その上で、交通費の領収書を提出せずに、交通費を規定料金で請求すれば水増し請求できます。

 この手口を理解した上で、過去5年分の政務活動費の報告書や領収書を見ると、調べる必要がありそうな報告書がいくつも出てきました。

(書類の保存期間が5年間のため、それ以前のものは破棄されています。)
 フロンティア旭(現、令和あさひ)代表の若杉たかし議員は、2議員辞職後に開かれた全員協議会の場で(会派として調査をし)「新たな事実が判明した場合、報告をする」と話していました。
 さかえ議長も議長声明で「一日も早く信頼を回復できるよう誠心誠意努め(る)」としていました。
 実際には、議員辞職から約4ヶ月放置し、外部から証拠が出てきて、ようやく重い腰を上げたのが実態です。
 これまで放置してきたことは見過ごせません。


現在の調査状況

 議会事務局が改めて過去5年分の提出資料を見直し、疑いが持たれそうな部分について、各会派に指摘し、調査を要請しています。
 この間、川村議員が取り組んでも、たどり着けなかったように、当事者でなければ証拠書類の入手が難しいため、まず当事者が調査を行います。(調査要請を受けたのは、2会派です。)



 今後の予定としては、9月25日(金)開催予定の議会運営委員会で、若杉議員から判明した事実と調査結果が報告されます。
 この日は、報告についての確認程度になる見込みで、その後1週間後を目処に、議会運営委員会を開催し、各会派から出される疑問点に若杉議員らが答えることになると思われます。

 合わせて、政務活動費の領収書添付などのルールについて、事務局から修正が提案される見込みです。

 党市議団は、予定される修正について、以下のような提案を検討しています。

1.領収書などの添付が難しくないものは、添付すること。具体的には、ホテルの領収書や明細。飛行機代など、再発行が可能なものは添付できるはずです。
2.宿泊費の上限設定を、 1万4000円から、  1万2000円に引き下げること。
3.現在会派にたいし支給することとされている、対象を、議員個人に支給する。それにより個々の議員が書類やレポート作成に責任を持たせます。

2016年 政務活動費支給要件の 変更について
 尾張旭市議会は、全国的に政務活動費(政務調査費)の不正が報じられる中で、支給要件の見直しも行ってきました。
 振り返ってみると、2016年度から実施された変更は、今回のフロンティア旭の不正と直結しているように思えます。
 2015年当時、宿泊費については一律1万4000円の支給で良く領収書は不要でした。それが20016年度から、上限1万4000円の実費支給に変更となり、領収書の添付が必要になりました。
 15年どまでの一律支給は、出張旅費などの精算事務を軽減する目的で、定額を支給する手法として社会通念上も通用する一般的な手法だと思いますが、日本共産党尾張旭市議団は、ずっと以前から領収書を添付した上で、実費請求としてきました。このため我々には、全く問題にならない変更でした。
 一方、安価な宿に泊まり、浮かせた金額を旅先の懇親会等費用に充てていた会派は嫌だったのかもしれません。
 全国的な批判を受けて変更された内容に、意識がついてこられなかった人たちが、不正を行ってきたと言えるのではないでしょうか。
 議員が自ら身を切ると口にし、議員定数削減を進めた彼らが、自らに甘い対応を続けていたことは、あきれるのと同時に、強い憤りを感じます。

政務活動費と会派費の関係

 政務活動費は、議員の調査活動の一部を補助するもので、全部は補助しません。
 会派が行う視察や研修は、議員自らが自主的に取り組むものですから、業務命令で出張へ能動的に行くのとは違います。
 ここ数年、特に人数が増えて最大会派となってから、フロンティア旭の議員は、視察や研修、国会議員への陳情など、出かけていく姿が目につきました。
 その費用を捻出するため、月2万円も会派で集めていましたから、感心しながら見ていたのですが、実際には、行けば行くほど領収書をごまかすことができる。政務活動費からはみ出た支出を、会派費で穴埋めしたことにし、仲間から集めた会派費を懐に入れる。そんな、からくりだったのでしょうか。
 月額1万2500円の調査費で不足することが多いのに、なぜ節約しないのか?理解に苦しみましたが、からくりがわかり、納得できました。

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